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2009年 07月 14日 ( 1 )
09.7.14 Turleania saliens
リクエストのポイントは
タンクを背負ってから

足場の悪い、岩場を延々歩いてアプローチするため。
女性には大変。。。

と思いきや・・・元気なTさんはスキップで行く勢い。

さすが、鍛えられてます!!
(と言うのも、そのハードポイントをメインフィールドに潜ってる友人ショップの常連様。との事で。)


ヤドカリにハマってる、Tさんとヤドカリ三昧。

そう言えば。。。

以前からウチのブログに『Enneopagurus sp.』として、登場していた、この魅力的なヤドカリ。
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実は、精査が進んで属も変更になり、学名も正式に決まったことが
IHC(INVESTIGATE HERMIT CLUB)のメーリングリストで流れて来てたのを思い出した。


改めて 『Turleania saliens』 Osawa and Fujita, 2008(和名なし)


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今んところ、和名はまだナイけれども、そのうちステキな標準和名が付くことでしょう。





海の博物館の奥野さんより。


Turleania saliens Osawa and Fujita, 2008(和名なし)




種小名のサリエンスとは、「跳ぶ」という意味で、このヤドカリが貝殻を背負ったま
ま大きく跳んで逃げるという行動パターンに由来しています。

なぜエンネオパグルス属からネジレヤドカリ属になったのかを説明します。私が久米
島ガイドブック執筆のために標本を調べたとき、「顔つき」はエンネオパグルスより
もネジレのほうに似ていたものの、オスの生殖器の形態はエンネオパグルス属そのも
のでしたので、この属の未記載種として扱いました。この種については琉球大学の大
澤さんと藤田さんが記載することとなり、大澤さんも当初はエンネオパグルスの新種
として考えていました。原稿の査読をエンネオパグルス属、ネジレヤドカリ属の両方
を創設したアメリカのマクラフリンにお願いしたところ、彼女は「ネジレヤドカリ属
の定義を修正してこちらに入れるべき」という意見を下さったそうです。属を作った
本人が言うのですから、誰も異論の余地はなく、エンネオパグルス sp. はネジレヤ
ドカリ属として記載されることになったのです。「属」というのは「種」と異なり、
“実在するものではなくグルーピングの考え方”ということですから、遺伝学的アプ
ローチをしない形態ベースの定義づけにおいては、標本の数をより多く見ているその
筋のプロ(この場合はマクラフリン)の考えに信憑性があると判断されます。

なお、Turleania という属名ですが、この属はもともと Laurentia という名前で創
設されました。フランスの Saint-Laurent(サン・ローラン)というヤドカリ研究者
に献名されたものです。しかし、Laurentia という属名はすでに別の動物で使われて
いたため、ホモニム(異物同名)となってしまいました。そこで、Laurentia のスペ
ルを並び変えて Turleania という新名称をこの属の名前とした、という経緯があり
ます。このようなつづり換え(アナグラム)は、生物の学名を提唱する際に時々とら
れる手法です。

標準和名については、大澤さんらと協議をし、いずれどこかできちんと
提唱したいと思っています。
by sensuiannai285 | 2009-07-14 21:07 | 海の生物雑談 | Comments(4)